開催中の展覧会
やなせたかしが見た高畠華宵の世界
ー懐かしき美の追憶ー

やさしいヒーロー「アンパンマン」の作者であり、詩人、絵本作家など多彩な活動を残したやなせたかし(1919(大正8)年〜2013(平成25)年)は、幼いころ、高畠華宵の作品に触れて育ちました。
やなせたかしの幼少期は「大正ロマン」と呼ばれた抒情的なムードが漂う美人画が人気を得て、華宵以外にも竹久夢二、蕗谷虹児、加藤まさをなどが人気挿絵画家として、時代の情感をリードしていました。彼らが描いた少女や女性のイメージは「抒情画」と呼ばれ、センチメンタルで郷愁を帯びた独特の詩情あふれる作品世界が特徴でした。
やなせたかしは1973年から『詩とメルヘン』という雑誌の編集に携わりますが、ここでの彼の願いは、戦前の抒情文化の復活であったと後日語っています。1986年には『よみがえれ!抒情画 美少女の伝説』という画集を出版しています。ここには竹久夢二・高畠華宵から始まる一連の大正ロマンの画家や同時代のイラストレーターが、「抒情」というテーマに沿って紹介されています。
しかしながらやなせたかしは、こうした大正ロマンの画家たちの中で、高畠華宵を一味違う存在として認めています。竹久夢二(「宵待草」)や蕗谷虹児(花嫁人形))、加藤まさを(「月の沙漠」)などが代表的な詩を残した抒情画家であるのに対して、華宵の作品世界には詩情よりも別の情感(官能性)があるとして、華宵世界の美しさへの思い入れを語っています。
今回の展覧会では、やなせたかしは高畠華宵作品のどのようなところに惹かれたのか、やなせたかしが見た(感じた)華宵世界の魅力とは何なのか、そしてそれがアンパンマンをはじめとするやなせたかしの作品世界(詩や絵画、イラストレーション)にどのような影響を与えたのか、などについて考えてみたいと思います。
本展覧会がやなせたかしと高畠華宵という二人の作品世界のありようを見直すきっかけになるとともに、大衆文化における感性の水脈をたどることで、高知と愛媛という同じ四国出身の二人のつながりが、地域の文化資産への新しい気づきになれば幸いです。

関連イベント
会期中のイベント情報です。
【哲学カフェ@カフェカショー】
*11月21日(土) 16:00〜
(テーマ)顔
*12月19日(土) 16:00〜
(テーマ)助ける
(定員)10名/予約優先
(参加費)500円
展覧会をご覧になる方は別途入館料が
必要になります。
(お問い合わせ)
高畠華宵大正ロマン館
(089) 964-7077
(展覧会概要)
〈展覧会名〉 やなせたかしが見た高畠華宵の世界
ー懐かしき美の追憶ー
〈会 期〉 2026年10月10日(土)
〜2027年1月11日(月・祝)
〈会 場〉 高畠華宵大正ロマン館
〈開館日〉 毎週土・日・祝日
(ただし11月7日、1月2日、3日は臨時休館)
〈開館時間〉 11:00〜17:00(入館締切は16:30)
〈入館料〉 1,000円(一般)
600円(中高大学生)
800円(65歳以上/障害者手帳をお持ちの方)
〈協 力〉 公益財団法人やなせたかし記念アンパンマン
ミュージアム振興財団、
株式会社やなせスタジオ
〈助 成〉 公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団
〈後 援〉 愛媛県、愛媛県教育委員会、愛媛新聞社、
南海放送、テレビ愛媛、あいテレビ、
愛媛朝日テレビ、愛媛CATV、FM愛媛、
大正イマジュリィ学会
