開館35年記念
第46回 特別展展
柳原白蓮と高畠華宵が出会うとき
ー 大正の揺れる心 ー
現在展示替え休館中です。
展覧会は7月19日〜
もうしばらくお待ちください。

柳原白蓮(やなぎわら びゃくれん/1885~1967/本名・燁子(あきこ))は、大正から昭和にかけて活躍した歌人です。伯爵・柳原前光の娘として生まれた白蓮は、大正天皇の生母(柳原愛子)を叔母に持つ華族の一員でしたが、幼い頃から複雑な家庭環境に育ちました。実家の都合による2度の政略結婚を経験する中で、歌人・佐々木信綱に師事し、自らの人生を赤裸々に託した短歌は注目を集め、「筑紫の女王」として世に知られるようになりました。2回目の結婚相手(九州の炭鉱王・伊藤伝右衛門)との婚姻中に、若き社会活動家・宮崎龍介と駆け落ちをして、夫宛ての「絶縁状」を新聞に発表した「白蓮事件」は世間を大きく騒がせ、女性の自由と自律を世に問うこととなりました。
高畠華宵(1888~1966)と柳原白蓮はほぼ同時代を生きていましたが、生前の直接的な交流は確認されていません。しかし雑誌に掲載された白蓮の短歌に華宵の絵が添えられたこともあり、作品を通じての接点を認めることができます。
近年のジェンダー研究の分野では、高畠華宵の作品に描かれた女性を「意志を持った女性」として再評価する見方がいくつかみられます。男性や家制度に従属する女性ではなく、自らの意思と考えで行動する近代日本の「新しい女性」のアイコンとして、当時の女性たちは華宵作品を受け入れていたのではないかという考察です。
そうであるならば、柳原白蓮の短歌と華宵作品の女性はどこか通じ合うものがあるのではないか、と考えました。今回の展覧会では、柳原白蓮と高畠華宵の作品が出会い、そこに表現された大正の女性の揺れる心と純粋な眼差しを感じていただければ幸いです。

わたつ海の
沖に火もゆる火の国に
我あり誰ぞや思はれ人は
これまで未公開であった柳原白蓮の自筆短歌(個人蔵)や代表作を、
高畠華宵の作品と共に展示し、大正時代のやるせない感情と秘められた情熱、気高く純粋な心を紹介します。
また大正三美人の一人と言われた柳原白蓮の生涯を、家族や友人の遺墨と共に紹介します。


忘れむと
君言ひまさばつらからむ
忘れじといはばなほ悲しけむ
(展覧会概要)
〈展覧会名〉 柳原白蓮と高畠華宵が出会うとき
ー大正の揺れる心ー
〈会 期〉 2025年7月19日(土)
〜11月3日(月・祝)
〈会 場〉 高畠華宵大正ロマン館
〈開館日〉 毎週土・日・祝日/9月27日は臨時休館
〈開館時間〉 11:00〜17:00(入館締切は16:30)
〈入館料〉 700円(一般)
500円(中高大学生)
600円(65歳以上/障害者手帳をお持ちの方)
〈協 力〉 BISOギャラリー
〈特別協力〉 久留島武彦記念館
〈後 援〉 愛媛新聞社、南海放送、テレビ愛媛、
あいテレビ、愛媛朝日テレビ、
愛媛CATV、FM愛媛