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展覧会情報
第80回コレクションテーマ展
開催中の展覧会

華宵が描いた「幸福」のかたち展
​−「中将湯」広告絵 数百点一挙公開!−

2023年6月24日(土)〜9月24日(日)
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 2023年は高畠華宵の生誕135年にあたります。これを記念した本展覧会(第80回コレクション・テーマ展)では、イラストレーターとして活動の原点とも言える「中将湯」広告絵にスポットを当てます。

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「中将湯」は津村順天堂(現・(株)ツムラ)が、明治26年(1893年・今年は創業130年)の創業と同時に売り出した婦人向け漢方薬です。創業者の津村重舎の母方の実家に伝わる生薬(奈良県の當麻寺にある當麻曼陀羅を蓮の糸で一夜で織り上げたという伝説がある中将姫(藤原不比等の孫豊成の娘)直伝の薬)を「中将湯」として販売するべく会社を立ち上げ、「中将湯本舗 津村順天堂」という会社名でスタートしました。

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 明治44年(1911年)、華宵はこの「中将湯」の広告絵を描き始めます。津村順天堂は当初より斬新な広告戦略を敷いていました(新聞広告の多用、イルミネーション広告、アドバルーンなど)。華宵が広告を手がけ始めると、新聞や雑誌にはモダンな女性が「中将湯」を飲む姿や生活の中に「中将湯」がある広告イメージが繰り返し掲載され、大正時代を通じて、「中将湯」広告といえば華宵の絵が想起されるようになっていきます。

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 今回の展覧会では、1911年から1935年に描かれた「中将湯」広告絵を数百点、一挙にご紹介するものです。当時の雑誌や新聞の広告(原画と印刷物)に加え、調査研究の過程で採取した国内外の新聞・雑誌に掲載された「中将湯」広告のデジタルイメージを印刷したものを展示します。現在のところ500点以上の広告絵があることがわかっていますが、今後の調査でさらに増える可能性があります。

 

 当時の広告絵からは、様々な情報を読み取ることが出来ます。「中将湯」は女性向けの商品であることから、大正から昭和初期にかけての生活習慣や女性の風俗、生き方についての価値観・実態など、そしてさらに当時の世相や時事ネタなども広告には反映されています。本展では華宵が描いた「中将湯」広告絵から、女性の社会進出やジェンダー、企業の広告への取り組みなど、近代日本の社会の断片を読み解いていき、当時の人々の求めた「幸福」のかたちを見ていきたいと思います。

 

 100年前の広告絵は、私たちに何を気づかせてくれるでしょうか?「中将湯」の広告絵を通して、歴史の一端を感じて頂ければ幸いです。

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【展示内容】

 

以下のテーマに沿って、「中将湯」広告絵数百展を紹介。

華宵が描いた「幸福」のかたちを探ります。

 

・広告絵の変遷

 =広告の描き方やアピールポイント(テーマ)の変化に注目します

・広告絵を読み解く

 =ジェンダーなどの視点から、当時の女性観・家族観・幸福観を

  考えます

・広告と世相・時事

 =広告に反映された様々な世相や時事を見ていきます

・「中将湯」広告原画

 =珍しい広告原画を紹介し、華宵の細密な筆致やデザイン感覚を

  紹介します

・華宵と津村順天堂と《移りゆく姿》

 =華宵の代表作の屏風は二代目社長の婚礼祝いとして描かれました

  

 

(展示作品)

「中将湯」広告絵原画 約30点

「中将湯」広告が掲載された大正から昭和初期の新聞広告、雑誌広告(現物)約20点

新聞や雑誌のデジタルアーカイブから採取した「中将湯」広告イメージ 約280点

(展覧会詳細)

  

 

 展覧会名: 華宵が描いた「幸福」のかたち展

        ー「中将湯」広告絵  数百点一挙公開!ー

 会  期: 2023年6月24日(土)〜9月24日(日)

 開館日 : 毎週土・日曜日/

       但し8月6日は臨時休館

 開館時間: 11:00〜17:00(入管締切は16:30)

 入館料 : 一般500円

       中高大学生、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方400円

 協  力: 株式会社ツムラ、大正イマジュリィ学会

 

 【お問い合わせ】

791-0222 愛媛県東温市下林丙654-1

高畠華宵大正ロマン館

(tel) 089-964-7077

kasho@almond.ocn.ne.jp

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