★展示替えのため11/15まで休館中★
第44回特別展
日本のアール・デコの先導者たち
ー杉浦非水・高畠華宵・山六郎ー
2024年11月16日(土)〜2025年2月11日(火・祝)
毎週土・日曜日・祝日開館(11:00〜17:00)
(但し11月30日と年末年始は臨時休館)
四国から飛び出した!
2025年には大阪万博が開催される予定ですが、その100年前の1925年、フランスのパリで万国博覧会が華やかに開催されていました。現代装飾美術・産業美術国際博覧会(Exposition Internationale des Arts Décoratifs et Industriels Modernes)、通称:アール・デコ博覧会です。アール・デコラティフ(Arts Décoratifs)とは装飾美術という意味ですが、パリの万博で紹介されていた装飾美術(建築、家具、服飾、グラフィック、写真、映画、舞台美術など)に共通する特徴的な装飾様式は、現在では「アール・デコ様式」と呼ばれています。「アール・デコ様式」は1910年代から30年代にかけてヨーロッパを中心に世界中に広まっていきました。都会的なスピード感にあふれ、幾何学図形を基調としたシンプルかつ洗練されたデザインが特徴で、工業製品の直線的なイメージと古代エジプトや東洋美術の影響を受けたエスニックな感性が組み込まれています。
このアール・デコ様式はほぼ同時代的に日本にも入ってきました。建築や室内装飾、ファッションなどあらゆる分野でアール・デコ様式が取り入れられましたが、装丁・広告・ポスター・雑誌の表紙や挿絵(カット)など、グラフィックデザインの分野でも、アール・デコ様式を取り入れたイメージが制作・印刷され、一般社会に広がっていきました。こうした「日本のアール・デコ」を牽引したのが四国出身の3人の画家、杉浦非水(愛媛県松山市出身/1876-1965)、高畠華宵(愛媛県宇和島市出身/1888-1966)、山六郎(高知県安芸市出身/1897-1982)です。
本展覧会では、日本のアール・デコの先導者である3人の作品を展示します。欧米のアール・デコ様式には様々な特徴がありますが、彼らはその中から何を吸収し、どのような独自性を加えて日本のアール・デコ様式を作り上げていったのでしょうか?四国に生まれた3人が描き残した作品から、アール・デコ時代の感性と彼らのデザインへの貪欲なこだわりをご覧いただければ幸いです。
【展示内容】
四国出身の3人の作品を展示し、
「日本のアール・デコ」の諸相を探ります。
① 杉浦非水
(1876/明治9年〜1965/昭和40年)
愛媛県松山市出身。近代日本のグラフィックデザインのパイオニアとして活躍。
東京美術学校在学中に黒田清輝よりアール・ヌーヴォーなどの欧風図案を教えられ、図案家の道を進むことを決心する。以後、ポスター、各種広告、装丁、雑誌表紙絵
など様々なグラフィックデザインを手掛ける一方で、図案研究にも取り組み、図案集の出版、展覧会開催などに尽力する。
(主な展示作品)
非水のアール・デコやセセッション様式への傾倒が表現された『非水創作図案集』、
非水が装丁を手がけた書籍、雑誌表紙など
② 高畠華宵
(1888/明治21年〜1966/昭和41年)
愛媛県宇和島市出身。京都市立美術工芸学校や関西美術院にて日本画、洋画の基礎を身につける。明治44年から描き始めた津村順天堂の漢方薬「中将湯」広告で注目を集め、大正から昭和戦前にかけて雑誌の挿絵や表紙絵を描き、一世を風靡した人気挿絵画家となる。「華宵好み」という言葉が流行歌にうたわれた。和洋折衷でモダンな女性描写は、大衆の西洋憧憬をかき立てた。
(主な展示作品)
雑誌の表紙絵、口絵、華宵便箋表紙などから、
アール・デコ様式のものを展示
③ 山 六郎
(1897/明治30年〜1982/昭和57年)
高知県安芸市出身。京都高等工芸学校(現京都工業繊維大学)を卒業後、デザイナーとして中山太陽堂に入社。クラブ化粧品などの広告図案を手がける。
1922(大正11)年、同社が出版事業として始めたプラトン社に出向し、月刊雑誌『女性』の創刊から携わる。タイトルロゴ、創刊号表紙に始まり、
以後、1928(昭和3)年にプラトン社が廃業するで、同社発行の『女性』『苦楽』『演劇・映画』の表紙絵、
挿絵などを手がけた。
(主な展示作品)
『女性』の表紙絵、カット絵など日本のアール・デコ様式をリードしたイラストレーションの数々
(展覧会名) 日本のアール・デコの先導者たち
―杉浦非水・高畠華宵・山六郎―
(会 期) 2024年11月16日(土)
〜2025年2月11日(火・祝)
(開館日) 毎週土・日曜日、祝日
(開館時間) 11:00〜17:00(入管締切は16:30)
(臨時休館) 11月30日、年末年始(予定)
(協 力) 山田俊幸、山健二
(主 催) 高畠華宵大正ロマン館
(後 援) 大正イマジュリィ学会
お問い合わせ
791-0222 愛媛県東温市下林丙654-1
高畠華宵大正ロマン館
(phone) 089-964-7077
(E-mail) kasho@almond.ocn.ne.jp